この世界で私は君に恋をする

　出会い

　それが私の前世の記憶。私の名前は今は水蝶藤未来じゃない、アルシア・フェノール。あの時の事故で死んで、このエルセノアと言う国で転生した。私が転生したエルセノアはいわゆる異世界だ。エルセノアは魔法が使えて､妖精や精霊がいる。よく私の家の庭に遊びに来る。私は妖精によく好かれる。多分この髪色などの影響だろう。私の髪色はハニーピンクで瞳の色はライトグリーン。明るい色の髪色や瞳は妖精などに好かれるのだろう。そのせいか妖精の言葉も分かるようになってきた。でも、私はアルシアとして生きていけない。私は私の事を産んでくれた両親やたった1人の弟、大切な彼、そしていつも一緒にいてくれた幼馴染で親友の勇哉と湘吾に会えないのが悲しくて、寂しい。
　今は、花屋の娘として家の手伝いをしている。私の作るフラワーアレンジメントが人気で注文され､作ってよく配達をしている。
　「アルシア､隣町まで花束を届けてくれる？」
　「はーい」
私は､注文された花束を持ってバス停に向かって小走りして行った。バス停に行く途中に小石に気付かず、私は転びそうになった。その時、私は2人の青年に助けられた。　　
　「大丈夫か？」
　「怪我はありませんか？」
　「はい、ありがとうございま・・・。勇哉、湘吾」
2人の青年が私の肩を掴んでくれた時に私は､2人の青年が物凄く勇哉と湘吾の雰囲気に似ていたから、ポロッと口から名前が出てしまった。あっとすぐさま気付き口を押さえた。
　「もしかして、未来なのか？」
　「未来だよね？」
私は2人の青年の思ってもみなかった返答に驚いて目から涙が出てしまった。それから、私は2人に抱き付いた。2人も私を抱き返してくれた。その瞬間の温もりが暖炉の火よりも暖かった。