2番目の恋
抱っこ紐の中で気持ち良さそうに昼寝する咲良。

青空。

私は今日どうしても笹崎に確認したいことがあった。

「私さ、卒業式に下駄箱に手紙入ってたんだよね。」

隣でコーヒーを飲む笹崎を見る。

きっと、そうだ。
笹崎がゆっくり私の顔を見上げる。

キャラメルラテを一口飲む。

笹崎が笑う。

「あれ俺だよ。」

照れ臭そうに、でもこれでもかってくらいの笑顔。

やっぱり。

ルーズリーフの切れ端に書かれた、名前のないラブレター。

美織のことが、ずっと好きでした。

犯人は笹崎だった。
字も、「美織」と呼び捨てにすることも、たぶんそうなのかなって思ってた。

でも・・・。

「どうせ、卒業したら会うこともなくなるだろうし。」
「うん、そうだよ。意味ないじゃん。」
「俺の中では意味あったよ。」

笹崎がちゃんと私の目を見る。

「終わらせるためには必要かなあって。」

そう言う笹崎の目がすごく優しくて、切なかった。

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