2番目の恋
「じゃあ、もう終わってるってことだよね。」

私は悪い癖で相手の気持ちを知りたがる。

「終わってるも何も・・・」

そう呟いた先の言葉が風に流されて消えていくような響き。

そして静かに、たしかに、「何も始まってないよ。」と私の耳に届く。

そう、出会ったばかりの私たちは、まだ何も始まってない。

「そうだね、始まるかもしれないし、始まらないかもしれないね。」

少しずつサンシェードを片付ける人たちも出てきた。
そろそろ帰る時間かも。

「始まる可能性ある?俺ら。」
「えっ」

たぶん一瞬。
困った顔をしてしまったのかもしれない。

私の顔を見た笹崎がすぐに前の芝生に目をやる。

「ごめん、何でもない。」

そう言うと笹崎は立ち上がった。
私たちは静かに公園を後にした。
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