2番目の恋
涙の夜
季節は少しずつ秋になろうとしていた。
まだまだ暑さは残るけど、真夏は過ぎた。

23時。
私の部屋。
咲良が隣の部屋でスヤスヤ眠っている。

笹崎とは花火大会の後も、結局なぜか笹崎からだったり私からだったり、誘い合って遊ぶ日が続いていた。

ダラダラと。

いつものように、笹崎と残ったピザを食べながら適当にバラエティー番組を並んで観ていた。

今日は3人で動物園に行った。
まだまだ暑くて、体力を搾り取られたような感じだ。

咲良が少し動物を見て喜ぶようになってきた。
それが一番の収穫。

そろそろ寝ようかな、笹崎は今晩どうするのかな、と思った時。

私の左腕にふと笹崎の腕が触れる。

離れない。

たぶん笹崎はわざと距離を縮めてきてる。

笹崎が「ねえねえ」と言うように腕で話しかけてくる。

私がくだらないバラエティー番組から笹崎の方に視線を向ける。

隣の笹崎とバッチリ近い距離で目が合ってしまった。

笹崎は私の目を捉えて、ゆっくり顔を近づけてくる。

ああ、どうしよう。

この居心地のいい友達の関係を壊して大丈夫なのかな。

「そろそろ限界かも。」と言った笹崎の顔。
あれから無視してるつもりはなかった。

でもちゃんと正面から向き合おうとしてなかったのも事実だ。

そうだよね。
ずっとこのままがいいだなんて甘えだよね。

そう思っていたのに、目も瞑りかけていたのに、実際には反射的に左手で笹崎の体を抑えてる私がいた。

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