2番目の恋
「また遊ぼうぜ。せっかくだし。」

笹崎は相変わらずのノリで言う。
こういうことがサラッと言えちゃう人間だ。

「いいよ、咲良も一緒だけど。」
「あったりまえじゃねえか。」

そう言って連絡先を交換する。
あの頃とは変わった連絡手段。
時代は流れた。

「まあ大体学校休みの日は暇してっから。」
「だと思った。」
「いや、そこは『えー意外ー!』って驚けよ。」

笹崎がそう言って笑う。

「どうせ彼女もいないんでしょ?」
「アホかお前ー、こう見えて意外とモテるぞ、先生。」
「じゃあ今いるの?」
「今はいない。今は。」

「ほらー」と言って笑うと笹崎とバッチリ目が合う。

笹崎はモテないこともないし、性格もいいし、彼女がいないこともないタイプだった。
彼を選ぶ子たちの気持ちも分からなくもない。

ただ私と笹崎は友達だっただけだ。

高3の時に、「俺なんで美織に告白したのかな?」なんて言ってきたこともある。

笹崎との時間は楽しくて居心地がいい。
ずっと笑っていられる。

それがすごくいいことだと気付くのは案外難しかったりする。

< 6 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop