2番目の恋
ファミレスからゆっくりと駅へ向かう。

今日の夕ご飯は適当でいいや。
冷凍チャーハンもあったし。
咲良には何を食べさせよう?
納豆ご飯でいいか。

そんなことを考えていると、いつのまにか改札を抜けていた。
笹崎も。

「え?」
「ほら、ベビーカー階段のとこ降ろさないといけないっしょ。」

そう言って。

下りは私が咲良を抱っこして、笹崎がベビーカーを持ってくれた。

なんでこんなに優しいの。
ほんといい奴。

「うちでご飯食べる?」

私の口から出た無意識な言葉。
自分で言って少し驚く。
隣で電車を待つ笹崎も少し驚いて私を見る。

「何もないけど。」

慌てて言葉を付け足した。 

笹崎は「おう。行く行く。」とクールぶる。

ねえ、笹崎、顔に「よっしゃー」って出てるよ?

何もないからね?

そしてそのまま、一緒に電車に乗った。
綺麗な夕焼けを窓からひたすら眺めていた。
< 8 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop