もしこの気持ちを伝えたなら
「またまたぁ、朝から俺の顔見て嬉しいだろう。
 早起きは三文の徳って言うからな、あっきー得したな」

屈託のない笑顔で光輝が言う。早起きのせいで起きた不幸だ。
既視感を感じながら、また一つため息をついた。

「んなわけねーだろ」

と言うと、そんなことは気にする様子もなく、

「それよりあっきー何してんの〜って、相変わらず勉強か。
 あっきーはえらいねぇ。関心関心」

なんて言いながら光輝は腕を組んでうんうんと首を縦に振っている。
学生は勉強することが当たり前なのに何を言っているんだ。

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