1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
家庭の事情か……
スーパーの荷物と関係あるのかな?
でも笑って悪かったな
成田さん…ごめん
それにちょっと拗ねちまった
俺の子供っぽい性格が出ちまった
次の日の昼休みに海斗は担任に呼ばれた
宿泊訓練のプリントで、成田さんと放課後に綴じて明日の朝みんなに配布してくれと頼まれた
教室へ戻ると成田の席に行き放課後に残れるか聞く
「ん〜、すぐ終わるよね?」
「多分だけど……無理なら俺がするから」
「やる、大丈夫よ」
ニコッと笑ってくれた
やっぱり早く帰りたいのか……
残りの昼休みの時間に海斗は後ろの棚でプリントを折り始めた
これを折っとけばホチキスでとめるだけだから
成田も早く帰れるな
海斗は壁に向かってクラス人数分のプリントを2つに折っていく
明日香に目で合図されて菜々美は後ろを向く
新谷くんの背中が見えた
「ごめん、手伝ってくる」
菜々美は海斗の隣に立った
「1人でしなくても?(笑)」
「いや、中川と話してるのに悪いし……」
「私が早く帰りたそうだったから?」
「………」
「黙るのはずるいよ」
あっ、
やばい、また俺の拗ねた態度が出ちまった
どういえば……えっと
「成田ん家の事情があって早く帰りたいなら俺は早く帰らせてあげれるように動くだけだから気にしなくてもいいよ」
それだけ言うと黙って手を動かした
菜々美はあんまり家庭の事情は言いたくないのが本音だけど……
でもこれから1年間、何で迷惑かけるかわからないから新谷くんには話しておいた方がいいのかもしれない