1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


菜々美は母さんと同じようにおでこに手を当ててくれた

クスッとおかしくなった

「何?」

「母さんと同じことをするなって(笑)」

「ごめん……子供扱いだったよね」

「いや、人肌は嬉しいよ」

「お弁当食べる?」

「食べるけど食べさせて(笑)」

ふふっ甘えてる


海斗くんだって甘えたいよね、しっかりしてるけど、病気の時はなおさらだよね


菜々美は作ってきたお弁当を海斗に食べさせて自分も食べた

「ご馳走様、旨かった」

「また薬飲んでおく?」

「いや、もう大丈夫、食欲もあるし」

菜々美は部屋をキョロキョロと見渡す

「ねぇ、少しだけ片付けてもいい?」

「居心地悪い?」

「本と、ゲームとか重ねたい」

「いいよ」


菜々美は1枚服を脱ぎ腕まくりをした

ゲームのディスクも出しっぱなしのが何枚もある

ケースに合うように閉まっていく

「次のゲームを出すと入れてたゲームをそのままにしちゃうんだよなー」

「海斗くんはもう高校生だからいいけど、ウチは琴ちゃんとか走るから踏みそうなのよね(笑)」

「自分の部屋とリビングの違いもあるかー」



「そうね、そろそろ健くんもこんな本読み出すのかなー」

グラビアアイドルが表紙の本を開けた


「それ、漫画だよ、でも確かに漫画も少年誌から青年誌に変わっていくんだよな
健にはまだ早いと思う」

「そっか……」

「心配?」

「みんな通る道だよね」

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