1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「熱は下がったんだけどね、喘息で咳がひどいのよ」

「夜がひどいからお姉ちゃんも寝れなくて琴の背中さすってる」

「健も目が覚めるのか?」

「うん、覚めるね」

「琴ちゃんと会ってもいい?」

「うん、私の部屋にいるよ」

海斗は2階の菜々美の部屋に行った

「琴ちゃん」

「あっ、お兄ちゃんー」

ベッドで本を読んでいた琴は海斗に飛びついた

「大丈夫?」

「咳がね、ひどいの、お薬も飲んでるんだけどね」

「そっかー、しんどいね」

「治ったら遊んでね」

「うん、しっかりお姉ちゃんのご飯を食べるんだよ」

「うん」


元気そうで少し安心した

バイバイと手を振って部屋を出る

「今は元気そうだった」

「うん、今のうちに色々やっとこうと思って、今日の夜遅くにお父さんが帰るから明日はもう一度病院に連れて行ってもらうつもり」

「今回は国内だったから短くて済んだよね」

「明日健くんの学校行事があるからね」

「僕、大丈夫だよ」

「何があるんだ?」

「合唱コンクール」

じゃあ、琴ちゃんの病院をお父さんが行って、健の方に菜々美が行くのか……


俺は何の力にもなれないな

じゃあ、帰るなと菜々美の肩をポンと叩いた

「ありがとね、琴ちゃん、嬉しかったと思うよ」

「菜々美も寝れる時に寝ろよ」

「うん(笑)」



月曜日から、菜々美は学校に来れていた

期末テストも終わり冬休みに入る

相変わらずの学年トップは菜々美だった

全くいつ勉強してるんだ

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