1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
菜々美の不安
学校は3学期に入っていた
「菜々美ちゃん、何ぼーっとしてんの?」
「へ?」
後ろを見ると剣也が立っていた
「剣也くん、久しぶりだね、海斗くん達を迎えに来たの?」
「うん、こっちの棟に用事があってね、ついでに一緒に行こうかなって……海斗は?」
「あっ、今ね、誰かに呼ばれて出ていったみたいで……」
「ふ〜ん、女子?」
「……うん」
「告白とかかなぁ、バレンタイン近いし」
「どうかな(笑)」
菜々美は女子に呼び出されたのを気にしていた
元々男女わけへだてなく話す海斗くんだから
女友達も多いのはわかっている
廊下でもすれ違いに話す女子もたくさんいるが
今回は呼び出しだった
少し胸がチクッとしたような気がした
あきらかに元気がないのが剣也にもわかった
「菜々美ちゃん、動揺してる?」
「だ、大丈夫だよ」
「最近さぁ、海斗と会ってないでしょ?
部活終わりにいつも俺らと帰ってるからさぁ
あっ、亮太〜」
「疲れてるんでしょ」
「まぁ、結構練習もハードだけどな、そうそうハードで海斗も合宿中1日足やばかったから」
「えっ、そうなの?」
亮太がやってきた
「海斗、古傷が傷んで1日休んだんだよ
聞いてなかった?」
「…うん」
「じゃあ、心配かけないようにかもだから内緒にしてて」
「わかった」
「あっ、海斗戻ってきた、おーい行こうぜ」
「おー、じゃあな、菜々美」
「うん、バイバイ」
さっき呼ばれたのは告白だったのかな……