1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ



「ケンカでもしてるの?話さずに去らなかった?」

「いや、来るとおもわなかったからびっくりしただけ」


「海斗って鈍感だからさ、私が入部する前にグランドを見てたことも知らないんでしょ」



「……知らない」


「いくら理解あるっていったって寂しくなるんじゃないの?
自分のモノって安心してたら去っていくよ
まあ、私が言うのも変だけど(笑)」

「確かにお前が言うなよな」


部活が終わり、海斗は亮太に一緒に帰れない事を告げて走って菜々美の家に向かった

ピンポーン

「はーい、あっ、お兄ちゃん、ちょっと待ってね」

琴ちゃん?

いつもは菜々美なのに

玄関の鍵が開いて琴がジャンプをしてきた

「あははっ、お兄ちゃん久しぶり〜ちゅっ」

「琴ちゃん、カメラ見えだしたのかい?」

「うん、背が伸びたから見えるようになったよ」

確かに抱くと重くなったし少し大きく感じた

「お姉ちゃんは?」

「洗濯物を入れてる、あがってー」

急いで下りる階段の音がした

「あっ、海斗くんだったの」

「うん」

海斗は琴を抱いたまま、リビングに行った

「健、久しぶりだな」

ゲームをしていた健くんは後ろを向いたまま

「うん」

とだけ返事をした


琴を下ろすと琴は台所へ走っていく

健の隣に座る

「元気か?」

「僕は元気だけど…お姉ちゃんは元気なかったよ、別れたのかと思ってた」

じっと画面だけを見つめている


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