1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
他の言葉は普通に言えるのにスパゲティだけが言えないのだ
敢えて直すようには言わない
「ケチャップ?」
「うん!」
菜々美はスパゲティの麺を茹で始めた
「ただいまー」
「おかえり」
「ケチャップの匂いだ」
海斗くんは腹減ったーと琴ちゃんの隣に座った
「今日はスパベティなのよ」
ん?
琴の前にスパゲティが置かれた
スパゲティの事か(笑)
「旨そう、俺もナポリタンがいい」
「海斗くんは2人前くらい食べれる?」
「食える」
健くんが着替えて下りてきた
「僕は明太子」
「はいはい」
「健、明太子が食べれるのか」
「うん」
菜々美の後ろ姿を見る
「すげえな、健の姉ちゃん、同時にフライパン使ってる」
「うん、料理もさ何種類も作ると頭を使うよね家庭科で調理実習あるんだけど料理がしたくなってきたんだよね」
「おっ、料理男子!モテるぞ」
「お兄ちゃんは作らないの?」
「しないなぁ、だからモテないのかな?(笑)」
健くんにはスパゲティと小さなおにぎりが1つ用意された
「菜々美ん家は何でも出てくるんだなぁ(笑)
いいなぁ、菜々美ん家の子供になりたい」
「お兄ちゃんがたくさん来ればお姉ちゃんのご飯をいっぱい食べれるよ…ご馳走様」
琴ちゃんに言われた
海斗は少し照れて菜々美の顔を見た
琴はケチャップを口の周りにたくさんつけてお皿を下げる
「お姉ちゃん、今日は僕が琴をスイミングのバス停まで送っていく、それで英語のノート買ってくる」
「あっ、じゃあお金渡すね、新学期だから他にも文房具買ってきていいからね」
「うん」