1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
「あっ!」
「どうした?」
「剣也くんが連れて行ったのを言うの忘れた」
「そっか……」
「ねぇ、最近菜々美ぼーっとしてるんだけど海斗くんは何か言ってない?」
「特には……今も見に来たんだからケンカはしてないんじゃないかな」
「うーん、ちょっと様子見てて」
「わかった……」
保健室についた海斗はそーっとドアをあけた
話し声がする
「もうそろそろ行ったほうがいいんじゃない?」
菜々美の声だ
「菜々美ちゃんの事が心配だし」
「大丈夫だから行って」
少し強い口調で言ってしまった
「ちぇっ、冷たいなぁ、キスまでしたのに」
えっ!?
海斗はカーテンを開けた
「海斗くん……」
剣也は菜々美の頬を触っていた
「今のどういう事だよ!」
「びっくりした〜、海斗、試合勝った?」
菜々美はその隙に剣也から離れて海斗の方に行った
「質問に答えろよ!!」
「えーっと、この間気分悪くてしゃがみこんでいたら偶然菜々美ちゃんに会って
介抱してもらってー
優しいなって思ってついキスしちゃった」
「何でそんなノリでキスできるんだよ
お前昔から全然なおってねぇじゃないか!」
海斗は剣也の体操服の胸ぐらをつかんだ
「海斗くん!」
菜々美は後ろから海斗の身体を持った
暴力は駄目……
「菜々美も何で言わねぇんだよ
ちゃんと言えっていつも言ってるだろ!
そうでなくてもお前は我慢するんだから……」
「あっ……ごめんなさい」
「……くっ……剣也の方が…よかったのか?」
「違う!…違うよ!」
海斗は走って保健室から出ていってしまった