1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
次の日の昼休みに2人で教室に戻ると
賑やかな声がしていた
「海斗くんの席辺りで何か盛り上がってるよ」
「剣也だ」
「友達?」
「同中だよ、棟が違うから最近会ってなかったのにな」
教室の入口に立って話していた2人に剣也が気づく
「あっ、海斗だー、遊びに来ちゃったー」
剣也が2人に寄ってきた
「どこいってたのさ、それも可愛い女の子と」
菜々美の方を向いてニコッと笑う
菜々美は可愛いなんて言われたことなかったから少し頬を赤らめた
「職員室…何でお前こっちの棟に来てんだよ」
「えー、海斗に会いたかったからー」
剣也は海斗に抱きついた
キャーと女子の悲鳴が聞こえる
「もー、やめろ!気持ち悪い
それに女の子を連れてくるなよ
うちのクラスに迷惑!」
海斗は少し強い口調で言った
「ったく、俺になんの用?」
「あー、亮太から体育を普通にしてるって聞いたからサッカー部に誘いに来た
部活しよ」
「部活か……」
菜々美はもう席に戻っていた
「また、一緒にサッカーしようぜ
足はもう大丈夫なんだろ?」
「でも、ずっと走ってないからな
いきなりやるのはまだ怖いよ」
「でも、海斗とやりたいー」
サッカー部ね……
予鈴が鳴る
「また、考えとくから今日は帰れよ」
「うん、じゃあね〜」
剣也はどこからか引き連れていた何人かの女子と一緒に教室から出ていった
「悪いな、みんな騒がしくて」
「すげえな、女の子引き連れてくるなんてめっちゃモテるんだな」
「モテるな(笑)」