1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


亮太は鞄から小さな箱を出す

「はい、プレゼント」

「あ、ありがとう、開けていい?」

「うん」

可愛い小さなネックレスが入っていた

「可愛いー」

亮太はネックレスを取り、付けてくれた

「少し長めにとアクセを小さいものにしたんだ、部活のときにも付けれるかなって」

「そこまで考えてくれたの?」

「まぁ、せっかくだからつけてもらいたいなって思って……」

これならTシャツでも隠れる

制服のブラウスの中にも入れてみた

明日香達の制服はネクタイでシャツのボタンを上まで閉めなければならない

「ふふっ、嬉しい……ありがとう亮ちゃん」

明日香は嬉しくて亮太に飛びついた

「うっ……」

亮太は勢いに負けて後ろにあったベッドに倒れ込んだ

亮ちゃん、亮ちゃん
と亮太の胸に顔をすりすりしてくる

亮太は明日香の頭を撫でた

「今日から俺の家族は旅行に行っててさー」

明日香は顔を上げた

「明日の朝に駅まで送れないからって学校から近いこのホテルを予約してくれたんだよ」

亮太の家は学校から遠くて海斗くんらが使う電車の前に別の電車から乗り換えてると聞いたことがあった

自転車で駅まで行くが何日もだから放置もダメだと思いホテルを取ってくれたらしかった

「亮ちゃん家って凄いね、こんないいホテル取ってくれて」

「いやいや、そんな事ないよ、田舎で何もないところだよ」

「ここでゆっくりしてもよかったんじゃないの?」

「うーん、でもクリスマスっぽくイルミネーション見たかったしな」

「確かに、綺麗だったね〜」

明日香は亮太の上に乗ったまま固まっていた

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