1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
「健くん、ちょっとお出かけしない?」
「どこに?」
「お姉ちゃんの学校までお散歩」
「……いいけど」
菜々美と健と琴は菜々美の学校のグランドに行った
「サッカー?」
「うん、今日練習試合なんだって」
ふ〜んとグランドを見た
海斗くんは健くんに避けられていた
と言ってもあれから1度菜々美の家に行っただけだけど、友達の家に行くと出ていってしまった
菜々美はサッカー部の入部に迷ってることを伝えていた
「えっ、練習試合を健くんに?」
昼休みに海斗くんから話があった
「うん、といっても俺を見てって言うんじゃなくてな……」
「どういう事?」
海斗くんは今、レギュラーに入りを外されているらしい
海斗の抜けるのは痛いよと崎山くんからは聞いたけど……
冬になるとどうしても足の古傷が痛むらしい
練習中もたまに抜けることもあったみたいで、今度の練習試合も出れるかどうかわからないけど、近くでサッカー全体を見て欲しいと言われた
試合が始まる
「お兄ちゃん出てないよ」
「うん、そうだね」
「上手いんじゃなかったの?補欠?」
「出れない時もあるらしいよ」
「試合に出るから見て欲しいって呼んだんじゃないの?」
「サッカー全体を見て欲しいって言ってたよ」
海斗は外から大きな声を出していた
ウォーミングアップもしながら、部員と必死に声を出していた
タイムになると部員にタオルやドリンクも配る