1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
「そうねぇ、海斗くんは勝手に拗ねるからほっておくかな(笑)でも日曜日を休みにしてくれているから会ってるかな」
「亮ちゃんは、最近どこにもデート連れて行ってくれないしな」
「明日香達は生活費どうしてんの?」
家賃と公共料金は半分ずつ親がだしているみたいだった
食費は明日香が土日のバイト代でまかなっているという
だから亮ちゃんのバイト代は何に使ってるか、わかんないと言うことだった
さりげなく崎山くんの様子を聞いてみるよと菜々美は言って明日香とはわかれた
日曜日、海斗くんが家に迎えに来てくれた
今日は健くんのサッカーの試合だ
車出しがあると思っていたから春から免許を海斗くんと取りに行ったが事情を知ってる人が車出しは免除してくれた
菜々美の家の庭には高級な国産車がとまっている
もし、車出しになったら俺が連れていくと海斗くんが買ったのだ、いや、買ってもらったのだ
私の運転は怖いらしい……
まあ、運動神経はない方だから海斗くんにはそう思われるけど、菜々美は立派にペーパードライバーになっていた
朝からクッキーを焼いた
車出しをしてくれる人達にお礼の意味を込めて
琴ちゃんはお友達の家にお泊まりに行っていた
「菜々美、支度できた?」
「うん、お待たせ」
静かな音でスゥーと走り出す
「ねぇ、崎山くんとは毎日会ってる?」
「まあ、授業がほとんど一緒だからだいたいつるんでるかな」
「学校にはちゃんと来てるんだよね」
「来てるよ、俺より真面目じゃないかな」
「海斗くん?サボってるの?」
「えっ……いやぁ……別に……」
自ら墓穴を掘ったようだ