1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


海斗は琴ちゃんと手を繋いだ

「昨日の昼はお姉ちゃんの熱下がってたからどうかなって思ってさ、お邪魔していい?」

「いいよ、琴が案内してあげる」

海斗は琴ちゃんについていき菜々美の部屋に入った

「お姉ちゃん、寝てるね」

「いつから熱がでたの?」

「夜ご飯が終わってから、だから昨日は琴は兄ちゃんとお風呂に入った」

「琴ちゃん、体温計はあるかな?」

うんと言って部屋を出た

顔が赤いな、足の影響もあるとは思うけど新学期からの疲れが出たんだろうな


菜々美の頬を軽く触る

     
琴ちゃんが体温計を持ってきて菜々美の服を剥いだ

海斗は思わず目をそらせた

ピピッと鳴って海斗に渡された

8度か……

「琴ちゃん、おでこに貼るシートはない?」

「琴のがあるよ」

子供用か……

「それでいいから1枚持ってこれる?」

「はーい」

海斗は琴が剥いだ胸元を直した

こんな時にドキドキするな俺!

琴がシートを持ってきて菜々美に貼る

「んっ、冷たい……琴ちゃん?」

「うん、お兄ちゃんもいるよ」

「健くん?」

「違う、海斗お兄ちゃん」

「えっ!」

菜々美は飛び起きた

「何で……」

「何でって…熱出したって聞いたから様子を見に来た」

「もう、そんな時間?」

部屋の目覚まし時計を見た

「ご飯しなくちゃ、あっ、琴ちゃんの勉強とえっと……健くんの体操服の準備と」

海斗は菜々美の肩を持って横にならせた

「熱あるんだから……」

「でも……やらなくちゃ」

「琴は宿題はやったよ
兄ちゃんも遊びに行ってないから庭にいる
大丈夫だよ
お父さんが今日は帰るし」

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