1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
クラスマッチ①
俺の両親もあまり家にいない……仕事人間なのだ
だからと言って俺が自分で料理する訳では無い
いつもいない時は金をくれる
いても仕事で疲れてる時は外食に2人で行くかデリバリーを利用する
でも、料理があまり得意じゃない母親もお弁当の日は冷食を使いまくりだけど必ず入れてくれていた
高校生になったら気が向いた時だけだ
お弁当かパンかお金の3択
父さんは長期出張が多いからあまり会えないが帰ってるときは暫く家にいるので料理をふるまってくれる
父さんの方が料理は上手いかなぁ
今度父さんにでも教えて貰おうかな…
なんて俺の家と成田の家を比べたって仕方ない事なのに……
海斗は菜々美の事が気になり始めた
菜々美も週明けには学校に来始めた
ちゃんと明日香と美咲と朝香がついていてくれた
暫く大きな行事もなく委員の仕事もなかった
クラスマッチの日がやって来た
菜々美は応援だけだったけどみんなが頑張ってるのを見るのも楽しかった
そして、進学組の1組は運動もそこそこできるクラスで各競技も勝ち進んでいく
最終的にはサッカーの決勝を残すだけになっていた
準決勝で負けたバレーボールは明日香が悔しそうだ
朝香とトイレから戻っていると剣也に会う
「菜々美ちゃん、足はどう?」
「森田くん、この前はありがとう、だいぶいいよ」
「剣也でいいよ、みんなそう呼ぶ」
海斗くんと同じだ
ふふっと笑い
「じゃあ、剣也くん、次の決勝はうちのクラスとだね、応援できないけど頑張らないでね(笑)」
「頑張って海斗を倒すよ、見ていてね」
そう告げていった