1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「私、崎山の話が聞こえた…
さっきの子、海斗くんの元カノだ」

美咲が少し怒ったように言う

「同中て言ってたし……サッカー部のマネージャーなら」


「今は海斗くんの彼女は菜々美なんだから堂々としてればいいんだよ」

明日香も気を使ってくれる




正直、元カノがいたのは前に聞いてるからどうでもよくて……

明日のお弁当の卵焼きと、人参もトマトもだめなら赤い色の食材を何にするかなんて頭では考えていた訳で……



「トイレに行ってくるね」

菜々美は気を使わせないように席を立ったが逆にショックだと思われていたようで……


「菜々美は?」

海斗がお弁当箱を持って3人の所へ行った


「トイレ……聞こえたよ、元カノ?」

「私の卵焼きを味見させてあげたよ、甘いから」

「何で元カノがサッカー部に入ってんの?1学期は1年のマネージャーなんていなかったでしょ?」

部活をしている明日香は1年のマネージャーはいなかった事を流石に知っているようで


海斗は3人の女子から責められる


「夏の合宿から2人入ったんだよ
先輩に頼まれたって言ってた」


「海斗くんはさ、それを菜々美に言ってないでしょ?」


「……言ってない」

「ちゃんと言わないと私ならあんな場面みたら怒る、祐真がよく言ったと思うよ」

「まあまあ、美咲は怒るけど、菜々美は多分怒んないでしょ」

明日香がなだめていた

「菜々美って我慢しちゃうしね」



朝香の言葉が海斗にささる


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