1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


そうだった、菜々美は我慢する子だ

言っとくべきだったよな

海斗は1度席に戻った

「聞こえたみたいで……責められた……」

「当たり前だよ、俺は海斗の彼女じゃないけど腹立つさ、ましてや、元カノなんだろ?」

祐真はまだ少しご機嫌ななめだ


特進のクラスによく躊躇なく入ってきた時点で祐真は気に入らないらしい

まだ食事している生徒も多かったのだ

祐真はよく好きなタイプは常識のある子とよく普段から言ってる


誰かと仲良くて何回も来ている子ならいいと、ただまどかの場合名前を呼びながら堂々と入ってきて、菜々美の作った弁当にケチをつける

菜々美の弁当じゃなくて、母さんが作ったものだとしても怒ると言っていた

どんな弁当でも自分より早起きして作ってくれる訳だ


祐真はパンが多い…だから余計に弁当に関しては羨ましいのかもしれない
家の事情は聞いてないけれど……

弁当を作ってくれる彼女が欲しいとまで言っていたくらいだ

当然知っていても菜々美には作らせないけどな


「元カノがマネージャーになったことも菜々美にはまだ言ってない……」

「それは海斗…だめだろ、毎日とかLINEとか電話しないのか?」

温厚な亮太にも言われた

「基本しないかな、向こうも忙しいし」

「何で?部活してないのに、塾とか?」

「いや」

海斗は菜々美が家事をしてる事や、下の子の面倒も見てる事を少しだけ話した

「だから寝かしつけの時に電話とかできない」


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