1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「それなら仕方ないけどさ、海斗って秘密主義なのか?」

「いや、秘密とは思ってないけど俺ひとりっ子なんだよ
だから家でも、あまり喋らないというか……
親とも喧嘩もしないし感情の起伏があまりないのかな」

「じゃあ、聞けば話すってことか」

「そうだな、あとすぐ忘れるからな」



予鈴が鳴りそれぞれが席についた



放課後菜々美から寄ってきた

あっ、弁当箱

海斗は鞄からとりだした

危うく持って帰るところだった

こういう所なんだよな、時間が経つと忘れてるところ……

「ありがとな」

「うん」

「あのさ、聞こえたかもしんないけど卵焼きは今日の方がいいから」

「わかった」

「あと、人参とかも食べれない訳じゃないから
菜々美の料理は旨いし全部食べる」

「じゃあ、1つだけ教えて、トマトの嫌いな理由……」

「トマトは皮が口に残る感じがあまり好きじゃなくて、普通のトマトも皮が剥いてあれば塩をかけたらめっちゃ食う

プチトマトは塩ふっても皮から落ちるじゃん?食べれないことは無いんだよ」

ふふっ、言い訳してる

「わかった、あと食べ物でアレルギーはない?」

「ない」

菜々美はニコッと笑ってお弁当箱を受け取った


「あっ、あと、マネの事……」

「いいよ、部活に行って、崎山くん待ってるから」

「悪い、じゃあ、明日な」


菜々美は手を振った

元カノの事はあまり聞きたくない……

別に知らなくてもいいこともたくさんあると私は思うんだよね

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