1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
「でもお付き合いしてるのは事実です」
「だから何て言われたの?」
「それは海斗くんに黙って私が答える事じゃないから海斗くんに聞いてもらえると……」
「好きって言われたの?」
菜々美は黙った
好き……そういえば言われてないかな
えっ、私も言ってない?…だよね
菜々美は少し焦ってきた
思い出せ、私……
2人の時間より4人の時間の方が長くて5ヶ月にもなるのに……
永井さんの言うようにおかしいのかな
「まあ、いいわ、私ははっきり言うタイプだから言っときます
別れたのは私からだけどやっぱり海斗の事が好きなので伝えとく
海斗って誰にでも優しいから付き合ってすぐ別れるとかはしないと思うけど焦らず私はいくから!」
「えーと、焦らずとはどういうこと?」
「海斗をもう一度振り向かせてみせるって事
なんなの、調子狂うわね、ホントに女子高生?
地味な子ね、おばさんみたい!」
まどかは言いたい事だけ言って教室から出ていった
地味な子とは…………
派手ではないと自覚はしてるけど暗くもないと思うんだけどな
クラス委員もしてるのに地味
それが何であの子に関係があるんだろう
海斗くんはあの子が本当に好きだったんだろうか
私と全然違うけど
廊下から走ってくる足音がした
「菜々美!下にいないからびっくりして……
LINEもしたけど」
携帯はまだマナーモードにしていて鞄の中だ
菜々美は鞄から携帯を出した
「海斗くん、ごめんなさい」
「もしかしてまどかと話していたのか?」
菜々美は頷いた