身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
しんみりとしながら、集まってきた動物達を眺めていた時、動物達が一斉にその身を強張らせた。


「どうかしたの?」

まるで示し合わせたかのように、みんな森の奥を凝視している。何かを探るようにしているものの、体はピクリとも動かない。


「ねえ、どうしたの?」

声をかけてもいいものか迷ったけれど、そのただならぬ雰囲気が気になって聞いていた。


『狼さん……』


ポツリと呟いたユキは、『サーヤ、来て』と、森に向けて駆け出した。それに全ての動物達が続く。驚きつつ、私も急いで立ち上がると、その後を追った。















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