身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「ソフィア様」
泣き疲れて、いつの間にか眠っていたところ、けたたましいノックの音に目を覚ました。
「ソフィア様」
ドンドンと叩く音に、意識がクリアになっていく。
音は、エディの私室から響いてくる。
こんなふうに、ここへ誰かが訪ねてくることなんてはじめてで、かなり驚いた。
「は、はい」
慌てて返事をしながら、乱れたドレスを手早く整える。
ドアを開けた先には、以前すれ違いざまに顔を合わせたことのある騎士が立っていた。エディによると、彼の名はバーンハルド。エディがもっとも信頼を寄せる部下だという。
団長であるエディが不在の時は、副団長であるバーンハルドが代わりを務めることになっていると聞いている。
「あいつは、俺の全てを知っている」なんて、エディが意味深なことを言っていた。
「お休みのところ、すみません」
「いえ、大丈夫です」
「大切な話があります。こちらへお願いします」
バーンハルドに促されるまま、エディの私室に足を踏み入れた。
考えてみれば、この部屋に入るのははじめてだ。部屋の中には、今自分が座っているソファーと、大きな机。それから本棚、クローゼットが備わっている。余分なものなんて一切なくて、落ち着いた雰囲気だ。
彼らしいとは思うけれど……それにしても、第二王子ともなれば、もう少し豪華な作りであってもいいような気がする。現に私の部屋は、こことは比べるまでもなく豪華だ。
泣き疲れて、いつの間にか眠っていたところ、けたたましいノックの音に目を覚ました。
「ソフィア様」
ドンドンと叩く音に、意識がクリアになっていく。
音は、エディの私室から響いてくる。
こんなふうに、ここへ誰かが訪ねてくることなんてはじめてで、かなり驚いた。
「は、はい」
慌てて返事をしながら、乱れたドレスを手早く整える。
ドアを開けた先には、以前すれ違いざまに顔を合わせたことのある騎士が立っていた。エディによると、彼の名はバーンハルド。エディがもっとも信頼を寄せる部下だという。
団長であるエディが不在の時は、副団長であるバーンハルドが代わりを務めることになっていると聞いている。
「あいつは、俺の全てを知っている」なんて、エディが意味深なことを言っていた。
「お休みのところ、すみません」
「いえ、大丈夫です」
「大切な話があります。こちらへお願いします」
バーンハルドに促されるまま、エディの私室に足を踏み入れた。
考えてみれば、この部屋に入るのははじめてだ。部屋の中には、今自分が座っているソファーと、大きな机。それから本棚、クローゼットが備わっている。余分なものなんて一切なくて、落ち着いた雰囲気だ。
彼らしいとは思うけれど……それにしても、第二王子ともなれば、もう少し豪華な作りであってもいいような気がする。現に私の部屋は、こことは比べるまでもなく豪華だ。