身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

誓いの場には、イリアムとサンザラの王族だけではなく、各国から招かれた要人も立ち会うことになっている。エディによると、彼のお母様の出身国からも王族が入国しているらしい。


そこて、言葉と口付けで誓いを交わし、晴れて結婚が成立する。流れは、私が暮らした日本の結婚式と似通っている。


それから、バルコニーに出てイリアム国民にお披露目がされる。

本来なら、馬車に乗って市中をまわるパレードのようなことをされるのが普通だけれど、近々で複数回、盗賊の被害が出ていることもあって、安全面を考慮して今回は取りやめることになった。事態が落ち着いたら頃、改めて行われることになっている。
たくさんの人の前で、終始笑みを浮かべるなんて、今の私には難しそうだったから、取りやめになったことは正直ありがたい。

その後は、晩餐会が予定されている。
ここでは基本的ににこやかにしていればいいらしい。
この世界のスタイルでは、招かれた側が私たちの元に挨拶に来ることになっている。返答はエディに任せて、私はとにかく微笑んでいるようにと、クラリッサに教えられた。

それから、ダンスも披露することになっている。これに関しては、エディも何度か練習に付き合ってくれて、なんとか見られるぐらいになった……と思う。