身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
おまけに、服も自分でやるって言うのを無視して、着替えさせられた。いやね、着替えをすることは、もちろん賛成だしありがたい。せっかくお風呂に入らせてもらったのに、昨日と同じ服ではさすがに嫌だからね。

でも……このお風呂だって、〝失礼します〟とか言って、ダーラがズカズカと侵入してきて、有無を言わさず隅々まで体を洗われてしまったし。同性でも耐えられないわ。

挙句に着せられたのは、やたら締め付けのきついコルセットとやらに、ふりっふりのドレス。私はプリンセスか!!って、思わず心の中で突っ込んだけど、そういえば本当にプリンセス役だったんだと我にかえってなんか驚いた。

声楽のコンクールや発表会でドレスを着ることもあったけれど、さすがにここまでフリフリなザ・ドレスなんてものは初めて着た。


「く、苦しいです」

「あなたは王女様なのですよ?」

クラリッサには、なにを訴えても〝王女様なのですよ〟〝淑女の嗜みです〟しか返ってこない。もうこれ、私を丸め込むための決まり文句でしょうよ。
で、淑女とはなんぞや?嗜み?もうわけわかんない。




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