身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「エリオット陛下は正妃様のお子ですが、正妃様はエリオット様がお生まれになった数年後に亡くなられております。
エドワード様は、後妻に入られた奥方のお子になります。おふたりの仲は、良好だと伺っております」


王家の2人の王子。母親は別。
嫌だ。骨肉の争いしか浮かんでこないんだけど……
本当に良好でありことを祈るしかない。


「エリオット様の奥方であられるのが、グロリア様。おふたりの間には、王太子であられますアリスター様と、王女チェルシー様が誕生されています」


頭の中で、必死に家系図を思い浮かべる。お願いだから、これ以上複雑になりませんように。


「それからエリオット様には、妹のリリー様がいらっしゃいますが、こちらは既に他国へ嫁がれていますので、ひとまずよいでしょう」

よかった。慣れないカタカナの名前ってだけで、もういっぱいいっぱいだ。とりあえず、リリー様は忘れてもよさそう。







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