身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「って……え……?」

なに、ここ。
てっきり、私を呼ぶのは身内かぐらいに思ってたけど……

「誰?ていうか、ここどこ?」

目の前には、全く知らない男女が座っていた。


ちょっと待って。てっきり救急車の中かと思ってたけど……

なに、この恐ろしく揺れる乗り物は……
パッカパッカとか、リズムよく聞こえてくるし。

まさかと思って、窓のようなところから身を乗り出すようにして外を見た。

「危ない!!」

途端に後ろから腕を引かれて、バランスを崩してしまう。
ドサリと元いた場所に倒れ込んだ。

どこの誰だか知らないけれど、他人とはいえ、扱いが酷くないですか?
じゃなくて……




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