身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「おはようございます、ソフィア様」

いつからいたのだろうか?既にダーラが控えていた。

「おはようござい……」

「ソフィアさま」

挨拶を返そうとすると、ダーラに咎められてしまう。寝起きの頭では、その理由が思いつかない。

「ソフィア様。あなた様は私の主人です。敬語をつかってはいけません」

本来、褒められこそすれど、叱られることではないはずなのに、仕方がない。本物のようになりきることが、私の役目だから。


「おはよう、ダーラ」

言い直した言葉に、満足そうに頷いたダーラは、不意に不安げな顔になってしまった。


「予定外ですが、エドワード様が既にもどられております。昨夜は……」

そうか。エディの帰還は既に伝わっているんだ。昨夜のうちに、私とエディが不意打ちの対面を迎えたことを聞きたいのだろう。ボロを出していないか探られてるんだろうなあって思うと、彼女が味方のようで実はそうじゃないかもと思えてくる。



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