誰も知らない夜空の下で
彼女は夫に浮気をされているのにも関わらず、いつも元気で周りへの気遣いを忘れず、たまに夫との嘘の惚気を話す。


社員たちはうらやましそうに聞いているけど、彼女がつくその嘘は社長という立場の蒼空と会社を守るためのものだった。





俺は親友としては蒼空のことが好きだったけど結婚したにもかかわらず美奈を愛し続ける蒼空は気に食わなかった。



別に美奈が好きなわけではない。
ただ、俺は美奈と結婚した時に蒼空の分まで愛してやろうと思っていた。


でも、結婚していった方がどんどん俺と美奈の距離はできていった




それと同時に親友の蒼空へ対しても怒りを感じていた


なぜ、蒼空は沙希を巻き込んでおきながらも沙希を頑張って愛そうとしないのか


結婚したのに美奈への愛が増えていったのか


男なら美奈を清くあきらめて沙希を愛さないのか



そんな蒼空への怒りから、俺はだんだん沙希を憐れみながらやさしく接した後に思いっきり裏切ってやろうという最低な考えをするようになった








でも、その考えはすぐに消え去った

いや、消え去ったんじゃない。

優しくしていたら本気で沙希を守りたいと感じ始めていた

守りたい、愛おしいと



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