きみへの愛の届け方
慧の好きなところは
その口角を上げてニッコリ笑った笑顔。
バスケ部らしいその凛とした雰囲気で
休み時間になると教室のドアから顔をひょっこり出して、
「おハロー、みずき!」って呼んでくる。
はじめはただひたすらに恥ずかしかったけど、
忠実な柴犬のような黒目がちな瞳がまっすぐこっちを見て
しっぽを振ってくるのが嬉しかった。
私が「おハロー、慧。」って返すと
そうやって笑う。

はじめて原宿でデートして、
わざわざ待ち合わせ前にクレープを買ってくれたときも嬉しかった。

初めてキスしたときに
そっと頭を抱えてくれたことも覚えてる。

それでも、何か違うって感じるようになった…。
慧には何て酷い女に映ったんだろう。
そう思ってたのに、慧はそれでも私を好きだっていう。
どうして?
理解できない。
私はそんな気持ちになったことがない…。
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