今さら本物の聖女といわれてももう遅い!妹に全てを奪われたので、隣国で自由に生きます
呼び出した張本人は
庭園を出て、すぐ。
花と蔦で覆われたアーチで見えなかったが、どうやらそこに人がいたようだった。
「!!」
思わず足を止め、手に魔力をこめる。人がいるのに全く気づかなかった。気配がしなかった………?
私はその人を見ると、彼は壁に預けていた背中を離した。
「おっと、そう警戒しないで。僕はアリアス・リヴァーロン。リヴァーロン王国の第二王子だ」
目の前の彼。リヴァーロン王国の第二王子と名乗った彼は薄い笑みを浮かべた。
これが、私とリヴァーロン王国の第二王子───アリアス殿下との出会いだった。
眩い白金の髪はさらりとしていて、少し長い。鎖骨まである襟足はひとつに束ねていて、全体的に余裕さが伺えた。口元にはホクロがあり、それがどことなく軽薄さを滲ませている。
「リヴァーロン………」
隣の大国の名前である。彼はその国の第二王子だと告げた。だけどなぜ、リヴァーロン王国の第二王子がこんなところに………!?混乱する私の耳に、またひとつ、遠くで起きた爆発の音が聞こえてくる。それが彼にも聞こえたのだろう。彼は少し難しい顔をして、私の手を取った。思わずギクリとする。だけど、彼はそれには構わずそのまま庭園を出て、歩き出した。
「ちょっ………あの………!」
「いいから、来て。あの場ではゆっくりと話せない。裏に馬車を止めているから、そこで」
花と蔦で覆われたアーチで見えなかったが、どうやらそこに人がいたようだった。
「!!」
思わず足を止め、手に魔力をこめる。人がいるのに全く気づかなかった。気配がしなかった………?
私はその人を見ると、彼は壁に預けていた背中を離した。
「おっと、そう警戒しないで。僕はアリアス・リヴァーロン。リヴァーロン王国の第二王子だ」
目の前の彼。リヴァーロン王国の第二王子と名乗った彼は薄い笑みを浮かべた。
これが、私とリヴァーロン王国の第二王子───アリアス殿下との出会いだった。
眩い白金の髪はさらりとしていて、少し長い。鎖骨まである襟足はひとつに束ねていて、全体的に余裕さが伺えた。口元にはホクロがあり、それがどことなく軽薄さを滲ませている。
「リヴァーロン………」
隣の大国の名前である。彼はその国の第二王子だと告げた。だけどなぜ、リヴァーロン王国の第二王子がこんなところに………!?混乱する私の耳に、またひとつ、遠くで起きた爆発の音が聞こえてくる。それが彼にも聞こえたのだろう。彼は少し難しい顔をして、私の手を取った。思わずギクリとする。だけど、彼はそれには構わずそのまま庭園を出て、歩き出した。
「ちょっ………あの………!」
「いいから、来て。あの場ではゆっくりと話せない。裏に馬車を止めているから、そこで」