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今日の古典だるいなぁ〜、と嘆く夏稀の後ろを、駐輪場の2段目に乗っていたはずの自転車を押しながら追う。
奴は私の分の自転車まで降ろしておいてくれる。月曜日限定。
こう、さらっとやってのけてしまうような奴なのだ。
非常に愛でたくない?
自転車に乗って風を浴びながら、そう言えば金曜の古典で恥をかいたなんてことをぶっちゃける。
学校まで片道30分。
のらりくらり、ゆっくり、だらだら、朝の海の様に穏やかに時間が流れる。
そういう日課。
昔から変わらない毎日。
そういうのが心に染みるじゃないか。