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そういうの、いらなかったかな。


と思ってる矢先、丹野くんは私の鼻に視線を向けるので、


「な、何?…え、今日は鼻栓してないからね?」


と、とっさに両手で鼻を覆うと丹野くんはハハッと笑った。


それから小さく「バーカ」と言った。



何だそれ、と心臓がまたドキリとする。



ふと、我に返るとクラスの人の視線を感じ、慌てて席に戻った。



丹野くんは基本クールだ。低燃費だ。悪くいえば怠惰だ。

でもとても自由だ。
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