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金曜日の昼下がり。
夏へ向かう日差しの強さと立ち込める湿気でムンムンとした教室にうんざりする。
授業中の教室は牢獄か。このご時世クーラーなしで扇風機いっちょなんてやってられるか、と憤る体から汗が止まらない。
時折窓から流れ込む空気に救いを求めるのが精一杯だ。
昼食後の5限、古典の先生の規則正しい音読はもはや子守唄。
もう夢の世界…に行きそうになってガクンとなる体にハッとし、何事も無かったかのように取り繕う。
ふと、窓の外に視線を移すと、私達とは対象的な活気で体育の授業が行われていた。