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あ、あのノッポは夏稀(なつき)だな。


ゴールの前で暑苦しいほどのやる気に満ち溢れてる姿に、なんだかふふっと笑ってしまった。


サッカーボール、全然回ってこないじゃん。
ゴールキーパーの職務、全く果たせそうにないね、そのやる気と裏腹に。


夏稀といえば空回りの天才だ。

根っからの情熱家と、昔からもつピュアさが奴の売りである。

そんでもって、それが上手く作用しない空回り具合が私は大好物だ。


これは別に、彼をバカにしてるとかではなくて、存在が愛でたいということだ。


私とはまるで反対で、それでいて私の傍にずっといる。

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