バレンタインの奇跡
「だからね、私達。
みなみの席作ったんだ。35人みんなでクラス会なんだよ。
そこに、雅が来てくれて良かったって思ってる」





アキ。。





私はアキが雅と付き合ってるって思ってたけど、違ったの?


アキの素振りは普通過ぎて、2人は何も無いように感じて、私だけーーバカみたいなんて、思った。



そうだよ。


私、すぐそばにいるのに、みんなは私に気づかない。

初めから私は、この世のものじゃ無かったんだ。




「俺は、あの日からずっと、渡したかった。


みなみにもらってばかりで、何も渡せてない」


雅。

私は何も渡してないよ。

アキと付き合ってるって思って、作らなかったチョコレート。


あの日、まっすぐ買い物に行っていたら私の未来は、あったかも知れない。


あの日、引き返した私。

あそこから全てが変わってしまった。


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