愛され、溶かされ、壊される

そのまま竜くんのコートの中に、包まれながら歩いて、私のアパートの前に着いた。

｢竜くん、送ってくれてありがとう！｣
｢……｣
｢竜くん？｣
｢離れたくないな…｣
｢じゃあ、うち寄ってく？ご飯作ろうか？それかコーヒーでも…｣
竜くんが私の頬に触れる。

｢ダメだよ。あおちゃんのうちに行ったら、抑えられない……｣
｢あ…////
だったら、近くの公園は？景色結構綺麗だよ｣

二人で近くの公園に向かった。

｢ほんと綺麗だね、景色｣
｢でしょ？私の穴場だよ！実は加那ちゃんも知らないんだよ！｣
｢じゃあ……｣
｢竜くんだけ、特別……｣
｢特別…｣
｢そう。特別！｣

そう言って、再び景色に目を向けた。

｢ほんと綺麗。可愛い……｣
｢でしょ？
ん？可愛い？？竜くん、可愛いってな―――え…？｣
なんと竜くんは私を真っ直ぐ見ていた。

｢あおちゃんは、僕をどうしたいの？｣
｢え…？どうって…？｣
｢可愛すぎるし、あおちゃんのキスは甘いし、僕のこと何の警戒もなく家に入れようとするし、特別に穴場見せてくれたし｣
｢あ、あの……ごめんなさい…｣
｢怒ってるんじゃないよ。ただ、苦しいんだ。僕だけ好き過ぎて……｣

竜くんの綺麗な目がとても切ない。

｢私も大好きだよ？ごめんね……私鈍感だから、どうしてあげたらいいか、わからない…｣