愛され、溶かされ、壊される
そして、バレンタイン当日。
「おはよ。あおちゃん!」
「おはよう。竜くん」
いつものように、自然に手を繋ぐ。そしてそのまま竜くんがポケットに入れる。
「温かい…。
あの、竜くん!」
「何?」
「今日ね、仕事終わったら、時間もらえる?」
「うん、もちろん」
「ありがとう」
頑張れ私。
しかし、今日の竜くんは出社早々凄かった。
チョコのやま、やま、やま。
さすがに落ち込む。
「モテモテね、福井くん」
「だね。凄いよね。去年も凄かったけど…」
「こんなことくらいで落ち込まないの!」
加那ちゃんが、頭を撫でてくれる。
わかっていた。
――はずだった。でも現実を突き付けられると……。
「はぁー」
そして今トイレの個室に籠り、何度目かのため息をついた。
すると、外から誰か話しながら来る音がする。
「―――だよね。でさ、濱野さんの顔見た?嫉妬まみれの顔!」
「付き合ってるからって、いい気になるなってんの!」
「だよねー。早く別れればいいのに!」
この声、高島さん達だ。
声を潜めた。
でも高島さん達は手を洗いに来ただけで、私に気付くことなく去っていった。
「はぁー。嫉妬まみれの顔か…確かに……」
またため息をついた。
「おはよ。あおちゃん!」
「おはよう。竜くん」
いつものように、自然に手を繋ぐ。そしてそのまま竜くんがポケットに入れる。
「温かい…。
あの、竜くん!」
「何?」
「今日ね、仕事終わったら、時間もらえる?」
「うん、もちろん」
「ありがとう」
頑張れ私。
しかし、今日の竜くんは出社早々凄かった。
チョコのやま、やま、やま。
さすがに落ち込む。
「モテモテね、福井くん」
「だね。凄いよね。去年も凄かったけど…」
「こんなことくらいで落ち込まないの!」
加那ちゃんが、頭を撫でてくれる。
わかっていた。
――はずだった。でも現実を突き付けられると……。
「はぁー」
そして今トイレの個室に籠り、何度目かのため息をついた。
すると、外から誰か話しながら来る音がする。
「―――だよね。でさ、濱野さんの顔見た?嫉妬まみれの顔!」
「付き合ってるからって、いい気になるなってんの!」
「だよねー。早く別れればいいのに!」
この声、高島さん達だ。
声を潜めた。
でも高島さん達は手を洗いに来ただけで、私に気付くことなく去っていった。
「はぁー。嫉妬まみれの顔か…確かに……」
またため息をついた。