愛され、溶かされ、壊される
「お疲れ様ー」
「お疲れ様でしたー」
仕事が終わりみんな職場を出ていく。

「葵、お疲れ!じゃあまたね!
今日頑張んな!福井くんの彼女は葵でしょ?」
加那ちゃんが、耳打ちしてくれた。
「加那ちゃん、ありがとう!お疲れ様」

よし!!!


「――ちゃん?あおちゃん!?」
「はい!」
「どうしたの(笑)」
「あ、いや。ちょっと考え事を…」
「帰ろう!」
「うん!」

手を繋いで会社を出た。

そのまま一緒にレストランで食事をし、
「竜くん、行きたいとこがあるんだけど…いいかな?」
「ん?もちろん!」

あの公園に来た。私の穴場。

「竜くん、これ……」
「くれるの?嬉しい!実は待ってたんだ!あおちゃんからのチョコ!」
「あの、ごめんなさい!」
「え?どうして謝るの?嬉しいよ!凄く」
「違うの!ほんとは手作りを渡したかったんだけど、何度練習しても、上手くいかなくて……。
結局買ったチョコになっちゃった…!」
「そうだったの?いいよ!気持ちが嬉しい!」

「でも……」
「ん?」
「他の女子からは手作りたくさん……」
「あーアレ?全部捨てたよ!」
「え?どうして?」
「ん?いらないから!あおちゃんからしか。もちろん断れた人は断ってもらわなかったけど、置いて帰る子とかいたから!」

「でも、いくらなんでも捨てるのは……」
「何?あおちゃんは、それでいいの?」

いい訳ない。でも……

「逆に失礼かなって!あおちゃんがいるのに、貰うの!」
「そうかな?」
「そうだよ!みんなあおちゃんいるの知ってて渡して来るんだよ!おかしくない?僕にはわからない、その真意」

確かに、ごもっともだ。
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