愛され、溶かされ、壊される
「え?そうなの…?」
「そうなんだよ。だからあおちゃん、三井には特に気をつけて!」
「わかった。仕事以外でなるべく話さないようにする」
「ありがとう!でももし何かあったら、すぐに僕に言ってね!」

そうだったんだ。竜くんがモテモテだから、自分のことを全く考えてなかった。
もしこれが逆だったら、私だってヤキモチ妬くだろう。
気をつけなきゃ!

「あおちゃん…」
「?」
「可愛い……」
「え―――?ンンン……」

ダメ……クラクラする………。
必死に竜くんのスーツにしがみつく。
足に力が入らなくなってくる……。
そのまま足がカクッと曲がった。

「はぁはぁ、竜、くん、苦しいよぉ…」
やっと解放され、竜くんを見上げて抗議した。
足に力が入らないので、竜くんに身体を預けたままだ。
「その顔……」
「え…?」
「その顔は特に、僕以外には見せちゃダメだよ!」


そしてまた、苦しいキスをされた。
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