愛され、溶かされ、壊される
「あおちゃん、帰ろう!」
「うん!」
「じゃあ、葵、福井くん。お疲れ!
葵、ちゃんとおねだりするんだよ!」
「加那ちゃん!!」
もう!余計なことを………

「おねだりって?あおちゃん何か欲しいの?」
「いや、ううん。別に何もないよ!」
「言ってよ!僕あおちゃんの為なら、なんでもするよ!」
「……」
「教えて?あおちゃん?」
いつものように私の頬を撫でる、竜くん。

「あのね、今日加那ちゃん達と、昼休みに雑誌を見てて、凄く素敵なフレンチのお店が紹介してあったの。
でも、凄く値段が高いの。だから、加那ちゃんが竜くんにおねだりしたらって言ってくれて……」
「そうゆうことか!いいよ!連れてってあげるよ!どこ?何て言う店?」
「“À votre santé”ってゆう、駅からちょっと離れたとこにあるお店だよ!」
「そう。わかった!調べておくよ。じゃあ来週、バレンタインのお返しに行こう?」
頬に触れていた手を頭にうつし、ポンポンと撫でてくれた。

「ほんと?ありがとう!嬉しい!」
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