愛され、溶かされ、壊される
「え?
ンンン……や…だ、め……」
ダメ……立っていられな――――

「おっと、危ない!」
「あ…ごめんなさい……」
「僕こそごめん……夢中になり過ぎた!
でも、あおちゃんの口唇って甘いね…?なんか甘いもの食べたの?」
「え?そんな訳……。あの、“あおちゃん”って?」

「僕達もう恋人同士だよ!だから、あおちゃん!僕のことも竜って呼んで!」
「呼び捨ては……できない。
せめて竜くんで」
「うーん。まぁいいか。福井くんよりは」



そう、この日から――――
この日から、全身全霊をかけた恋の始まりだった。


鉛のように重く、深海のように深い、彼の愛を受け止める、苦しくて熱い恋の始まりだ。
< 6 / 73 >

この作品をシェア

pagetop