愛され、溶かされ、壊される
「は?いいじゃん!ちょっと話するだけなんだから!」
「ダメですよ!あおちゃん行こう!」
竜くんに引っ張られて歩き出す。

「ちょっと待てよ!」
え―――――?
なんと私は新浜くんに手を掴まれたのだ。
「え?ちょっ…新は―――――」

「俺の葵の手を離せ!!!」

「え…?た、つくん?」
“俺”?“葵”?この人誰?
いつもの竜くんではなかった。
正反対の悪魔のようだった。


「あっ!やっぱり本性現したな!!」
「は?何が?」
「お前さぁ、ただの王子じゃないもんな!王子どころか悪魔だし!」
「だったら?」

「霧島 刃」

「は?」
「お前が半殺しにした奴のな、ま、え!」
「あー、いたな!そんな奴!」
「まぁ、霧島に否があるから自業自得だけどね!」
何の、話?

「はまちゃん、コイツは君が思ってるような王子様じゃないんだよ!」

ここは、夢の中なのだろうか?
得体の知れない恐怖が襲っていた。
< 64 / 73 >

この作品をシェア

pagetop