愛され、溶かされ、壊される

｢竜くん？どうしたの？｣
｢あっううん。ちょっと考え事だよ！｣
｢そっか！｣
まぁいい。今は葵が傍にいる。
それだけで十分だ。


｢あおちゃん、可愛い…｣
｢何？急に////恥ずかしいよ…｣
｢だって可愛いから。絶対離さないからね！｣

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今日は葵とデートの日。
朝はどうしても抜けれない仕事があり、駅で待ち合わせている。
仕事が終わり急いで、駅に向かう。
｢あおちゃ―――なんだ？あれ！｣

｢いいじゃん！彼氏が来るまででいいから…｣
｢無理です！彼、怒ったら怖いから、もう帰って下さい！｣
｢なぁ、いいじゃん！｣
ナンパ男の一人が、葵の手を掴んだ。

俺以外の奴が、葵に、触った……

｢うわぁぁぁぁー。痛ぇぇぇー｣
｢嫌っ！た、つ、くん…？｣
俺は葵を触った奴の腕を捻り上げ骨を折った。
｢えっと、次はその口だね！俺の葵に話しかけたから。どうする？選んでね？口を縫われるのと、接着剤でくっつけられるの。どっちがいい？好きな方を選んで！｣
｢すいま、せん。許して…下、さい。｣
｢許さないよ！早く選べよ！｣
あくまでも俺は笑顔だ。

｢竜くん！！もうやめて！お願い！！｣
｢あ！あおちゃん。大丈夫？手消毒しなきゃね！｣
｢大丈夫だよ！竜くんが助けてくれたから！｣
ナンパ男は、葵と話してるうちに逃げたようだった。
｢ごめん、あおちゃん。逃げられちゃったね…｣
｢もういいよ！大丈夫だから！｣

葵が受け入れてくれた安心から、仮面を被ることができなくなっていた。

*****竜 side・終*****