愛され、溶かされ、壊される
「あおちゃん!ただいま」
いつもの優しい竜くん。
「おかえり」

「どうしたの?なんか寂しそう…」
「竜くんがいなくて、寂しかったの…ねぇ、ギュッてして!」
「もちろん、いいよ!」
強く抱き締められる。


「ねぇ、竜くん…」
「ん?」
「抱いて!」
「え?」
「買い物は、明日にして、今日は一晩中抱かれたい!」
「いいよ…あおちゃん、壊れちゃうかな?」
「いいよ、壊しても…。壊れたい…」

いっそのこと、壊れて何もわからなくなりたい―――



早く、愛されて、溶かされて、壊されたい。






そしてどうか、みんな、私を忘れて下さい。


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