遠恋~好きになる気持ち~
あたしは生きてる女の子なんだよ。

奏太はあたしに気づいていない。

気づくと奏太が煎餅の袋を片手にちゃぶ台にすわる。

「奏太···」

「なに?」

「奏太さ。
テレビなに見てるの?」

「テレビは音楽番組とかだな」

「そうなんだ。
あたしはお笑いかな」

乾いた笑い。

空虚さがあった。

からっぽ。からっぽな気持ち。
けれど奏太への恋はいくぶんあたしを満たした。

あたしはお笑い番組の話をした。

おじいちゃんの安アパートで。
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