キミを好きになるなんて、絶対にありえないっ！

「朝陽くん、いつも明るいよね〜」

「分かる……。それに、かっこいいし。やっぱり彼女とかいるのかなぁ？」


　4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り、昼休憩。

　私……佐伯春華(さえき はるか)は、いつものように友達と机をくっつけると、そんな話題で盛り上がっていた。


「いそう、だよねぇ……」


　私の前では、友達がはぁ、と落胆しながらため息を吐いている。

　友達曰く、『朝陽くん』とやらは、かっこよくて優しくて、主に女子から絶大な人気と信頼を誇っているらしい。

　……あーいうのが、高校生には人気なのかな。

　『朝陽くん』とやらは……いや、『成瀬』がモテているのが、私には、不思議でならなかった。